editorial

Esports Tiers in Japan 2021 につきまして

はじめに

これまで2019年, 2020年に弊研が集計して発表した “Esports Tiers in Japan” ですが、2021年のものは発表いたしません。

“Esports Tiers in Japan” とは、日本国内で開催されたゲームの競技的大会のライブ配信から、合計視聴時間に基づいて抜粋して並べたものです。12ヶ月単位で集計し、上位だけを掲載していました。(参考)昨年の記事

今まで発表していた理由

昨年まで発表していた理由は、昨年の記事にも記していますが、改めて趣旨を選んで申し上げます。以下の2点です:

① 日本で盛り上がっているゲームの布教

弊研を2019年に設立した頃、「実は日本であのゲームは本当に盛り上がっている」と広めたい感情がありました。そこで大会・esports に照明を向けました。
 これは主観的な経験則になりますが、大会がどれだけ盛り上がっているか熱弁してもビジネスマンから会議で一蹴されるゲームタイトルもありました。特に外国産のゲームは人気があっても「所詮マニアしか見てない」と言い切られ、その魅力を対面で説得しきれないもどかしさを味わって来ました。
 そこで、弊研で集計しているライブ配信に関する統計(Giken Access)を用い、当 Tier を公開しました。

 

② Esports の立ち位置

Esports に関するデータは、ゲーマーと非ゲーマー(例:非消費者・コンテンツホルダー・イベント企画社 etc)で区分した際に、ゲーマーこそが強く関心を持っているところだと感じていました。Esports とは純粋な競技シーンを指します。
 弊研が「ゲーマーを応援したい」と思うときに、esports はまさに後押ししたいジャンルでした。

今年発表しない理由

これを踏まえて、今年発表をしない理由がございます。上の①②に対応させて以下申し上げます:

① 「実はあのゲームが盛り上がっている」という価値観の充分な拡散

直観的に申しますが、ゲーマーが「あのゲーム盛り上がってるよね」と話題にするトピックと、データの実体が合致する時代になったと感じています。
 この背景には:

  • 「視聴時間」という盛り上がり評価基準

  • 動画とライブ配信を切り離して、日本で視聴されているライブ配信のイメージ

これらが様々なウェブサイトを通じて広まったからであると考えています。勿論、この認識拡大が弊研の成果とは申しません。

② Esports の立ち位置の変化

弊研はゲーマーを応援したい信念を掲げていますが、一概に esports(純粋な競技シーン)を話題にすることがその目的に沿う訳ではない時代になりました。
 特に新型コロナウイルス感染症に伴う自粛状況で、グローバルでの大会は減少し、国内でもオフライン大会は減り、インフルエンサー大会が増加しました。ゲーマーの生活も変化したため、興味の向き方も変わり、大会の在り方も変化しました。

以上、こうした理由から、弊研が “Esports Tiers in Japan” を作成する背景がぼやけてしまったと考え、今年および当分の間は公開しない決断をいたしました。


最後に

弊研の活動が変わっても、意図は変わらずに

  • ゲーマーが誠意を込めて発信しているコンテンツ

  • 視聴者が本当に楽しんで視聴しているコンテンツ

が今後も評価されるための取り組みを続けます。ご理解頂けますと幸いです。

(完)

配信技研NEWS:視聴時間とは

弊社:配信技研(以下弊研)は日頃から視聴時間を軸としたデータを公開しています。これはライブ配信をする者:ストリーマーが自己実現した指標として、「視聴時間」が最も正確に表していると考えているからです。
 データに関するものは一般にストリーマーご本人よりも外部の方、特に関連企業の方がご覧になるでしょう。本文は、ストリーマー自身の方針とは別に、これをチャンスに活かしたい企業・事務所の方々向けの内容です。

■ ゲーム実況とは

弊研は「ゲーム実況」を手掛ける世界中の「ライブ配信」を視野に入れ、特に国内情報に集中して発信を行っています。

その「ゲーム実況」ですが、これはあらゆるゲームをプレイしながらプレイヤー自身の経験を視聴者と共有するものと捉えています。

ライブ配信とは「インターネット上で行う生放送」のことです。映像コンテンツの中でも、今起きていることを流して視聴者と会話・対話を行うものを指します。
 中にはイベント・大会が生中継されるものもありますが、発信されている多くのライブ配信は、ゲーマー個人がプレイしながら視聴者と対話する形式となっています。ライブ配信を行う個人のことを、英語圏に合わせて「ストリーマー」(streamer) と呼んでいます。

ゲーム実況のライブ配信では、ストリーマーは自分の本当に好きなことを行い、視聴者・ファン・コミュニティがそれを楽しみ、更にゲームタイトルにも利益をもたらすことが目的です。

世界では現在毎月1000万人以上がライブ配信を行い、視聴者がそれに毎月1200億分滞在しています。今も世界に30万人以上フルタイムのストリーマーが居ると言われています(出典)。(※中国本土など日本と共通のサービスを持たない国を除く)

(ストリーマーの例 画像出典

■ ライブ配信の魅力とは

ライブ配信の特長は、今そこで視聴者が見ていることです。

同じ「映像」という括りになりますが、テレビは勿論、動画・SVOD・ショートムービーサービスとは根本的にコンテンツの在り方が異なります。
 視聴者が既成の映像を次々と渡って行く動画コンテンツに対し、ライブ配信では視聴者は基本的にじっくり滞在します。ストリーマーと視聴者の間に同期・意思疎通があります。ストリーマーの呼びかけに対して視聴者のリアクションを期待できるため、エンゲージメント率が高いことがライブ配信というメディアの特徴です。

弊研としては、ストリーマーの理想とは「やりたいこと (authenticity) を実現すること」です。ただ今回は、繰り返しになりますが、こうしたストリーマーを活用して広告を打ちたい企業・サポートしたい事務所の方々を想定し、実用的内容を申し上げます。

■ よくある先行事例

企業の方がストリーマーと何か取り組みたいという時、その影響力をどのように評価なさるでしょうか?もしくは単に個人視聴者が、仲間内・社内で自分のご贔屓のストリーマーをアピールしたい時、どのような見方ができるでしょう?

企業の方では:

  • 「チャンネル登録者数」

  • 「Twitter のフォロワー数」

をチェックされる方も多いと思いますが、それは一番欲しい情報ではありません。理由は幾つかあります:

  • 「登録者数」や「フォロワー」とは、過去に著名だったことがある事実の指標であり、今現在の強さの指標ではない。

  • 現在人気が高く同時接続が大きいチャンネルと、今は同時接続が小さいもののより大きな登録者数を持っているチャンネルとで、登録者数だけで比較するのは適切ではない。

  • YouTube の場合1チャンネルに動画とライブ配信が共存する。コンテンツ的に「動画」は人気があるけれども、「ライブ配信」の側面は人気が無いチャンネルもある。

  • YouTube 等のアルゴリズムを重視するサービスは、トレンドに依ってオススメするコンテンツが異なる。すると「過去にアルゴリズム的に強かった(= 人気であった)ものの今は強くないカテゴリ」を発信するチャンネルはフォロワー・登録者が今も大きい。

  • フォロワーの範囲が数百から数万の間のインフルエンサーを探している場合、フォロワーを購入する方法もあるため必ず信頼できるとは言い切れない。

誰かをスポンサーすることで会社の認知度を上げたかったり、インフルエンサーマーケティングで商品を広めたい場合は、過去ではなく、現在に最も影響力があるストリーマーを選ぶ方法が効果的です。
 そのため、ライブ配信の世界では登録者数ではなく、以下のような数値を指標にされる方も多いです:

  • ライブ配信中の最高同時視聴者数

  • 今月のライブ配信の平均同時視聴者数

(右下の赤文字 “430” が「同時視聴者数」 画像出典)

(右下の赤文字 “430” が「同時視聴者数」 画像出典

これら「同時視聴」に関する数値は現在の影響力を表します。弊研の出すデータでも平均同時視聴者数を含めているものも多いです。しかし、それでも不十分であると捉えています。


■ 単位「視聴時間」の強み

ここで、「視聴時間」という単位を考慮しましょう。これは視聴者がライブ配信中に滞在した時間の合計です。

視聴時間という単位は:

  • ファンがツイートをして話題を広めたか

  • ファンに商品をクリックさせたか

  • スポンサーした際にファンが企業名を憶えてくれるか

といったエンゲージメントの指標に最も相関があると捉えています。ライブ配信という双方向性メディアの最も重要な指標です。

例えば日本のストリーマーを esports チーム単位で区切った場合、2020年に国内で最も視聴時間が大きかったチームは DeToNator です。Twitter 社から発表された2020年に「最も会話された」国内チームも DeToNator でした(出典)。
 チャンネル登録者数やフォロワー数で言えば他のチームも挙がるのですが、実際にファンの滞在・行動を測るとこのような結果となります。 

このように視聴時間は、ファンのエンゲージメントまで考慮に入れた場合、最も現在の影響力を表す単位であると解釈しています。
 ライブ配信・ストリーマーの理想とは、好きなことを行って自己実現をし、そこでリアルタイムにファンと双方向コミュニケーションを取り、まさしくコミュニティを構築していくことであると弊研は解釈しています。そのため、エンゲージメントと相関する視聴時間という単位はこの理想に近い指標です。

お断りしますが、あくまで弊研の理念はストリーマーの自己実現・目標達成です。これに優先するものはありません。その上で、ストリーマーの目標達成を最も評価するに近い存在が視聴時間であるという意味です。視聴時間を絶対視するものではありません。

(海外でも視聴時間でチャンネルを評価することが一般的です 画像出典)

(海外でも視聴時間でチャンネルを評価することが一般的です 画像出典

■ 他コンテンツとの差別化

ライブ配信は、他の映像メディアとは毛色が異なります。

新規流入・インプレッションでは Social Media (SNS と呼ばれるもの) や動画・ショートムービーの方が「数字」が大きくなります。「数字」といいますと、あくまで目安ですが:

  • 人気ショートムービー:100万 Like

  • 人気動画:100万回再生

  • 国内最上位ライブ配信:同時接続1万(10万imp)

このようなオーダー感です。ライブ配信に比べて、動画・ショートムービーの方が大きく見えがちです。とにかく大きな数字を社内・スポンサー元に報告したい場合や、未開拓のファンにひたすら目について貰いたい場合は有効です。
 一方のライブ配信は、配信中の時間しか機能しないため、視聴者がいつでも見られる便利なメディアという訳ではありません。再生数やフォロワーがすぐ大きくなるわけではありません。

ライブ配信というものは、実際にそこに居るファンの群衆に、高い確率でクリック・閲覧・購買・行動して貰う点で強いメディアです。単に数値だけ誇示したいのではなく、着実に自社のウェブサイトに誘導したい場合に強さを発揮します。
 リアルタイムに繋がり、密接なコミュニケーションを取ることを強みとしています。

■ 広告価値

ライブ配信の価値を、企業の視点から解釈しましょう。ストリーマーは非常に大きな広告価値が有ります。

スポンサー料の相場は、参考程度ですが:

  • テレビCM:0.1 - 2.5 円/imp

  • インターネットバナー広告:0.1 - 0.5 円/imp

  • インフルエンサーマーケティング:0.2 - 0.5 円/imp 

と言われています。(※impは「インプレッション」の略。いずれも制作費なし、放映権のみ。テレビCMは15秒あたり40 - 100万円を想定。)

これに対し、ライブ配信では動画広告で「3円/imp」程度で算出されます。あくまで相場ですが、ストリーマーは他メディアと比較して高めです。
 これには要因があります。まず、計算がフォロワー単位ではなく、その場に居る人数を基準していることです。確実にそこに居る人間に対して掲示出来るため、信頼でき、高めの価格になっています。
 例えばストリーマー /fps_shaka の1ヶ月あたりの視聴時間は3億分以上です。その配信にロゴを掲載した場合、仮に1分に1回ロゴが映ったとしても、月に3億回そこに確実に滞在しているユーザーの画面に載ることとなります。

ライブ配信はこうした双方向メディアであることを活かした信頼性が魅力となっています。

■ 最後に

現代で視聴時間のスケールを比較すると、「上位チャンネル」の視聴時間は多くの「ゲームタイトル」の合計視聴時間よりもよりも大きくなっています。近年、コンテンツの影響力だけを見れば、このように「チャンネル」の影響力が「ゲームタイトル」よりも大き目である時代に突入しました。

視聴時間という単位は「滞在時間」と同じです。可処分時間というものは現代の大企業(GAFA・ゲーム会社など)がこぞって競っている領域であります。海外、主に英語圏では、視聴時間を基にストリーマーの影響力を測ることが当然となって久しいです。
 弊研は日本市場にてこの視聴時間という単位を基にストリーマーおよびゲームタイトルの影響力を測ることを提言しています。


弊研の願いとしては、日本市場でもライブ配信のインフルエンサーを正しく認識して頂き、本当に真摯なストリーマー・そしてストリーマーの愛するゲームタイトルにも利益が巡ればと考えています。

(完)

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■「視聴時間」を用いて国内あらゆるライブ配信を評価しアーカイブした Giken Access をご提供出来ます。

Giken Access では、

・観測された複数プラットフォームでの75,000以上の日本語全チャンネル
・各チャンネルでプレイされたゲームタイトルの内訳
・ゲームタイトルランキング
・ゲームタイトル別配信チャンネル一覧

等、全ての情報をご覧になれます。

ご利用のお問い合わせは info@giken.tv までお願いいたします。

配信技研NEWS:「COVID-19 vs. ライブ配信」レポート

いま世界的にオンラインライブ配信の視聴時間が伸びている傾向が報告されています([1] [2] [3])。それでは日本市場はいかがでしょう。

[国内での総視聴時間の推移と、国内で発生したCOVID-19にまつわる出来事をまとめた。]

 このグラフは、日本で展開されている各種ライブ配信プラットフォームの統計を併せて一つにしたものです。日本から発信しているユーザーがどれだけ視聴されたか(視聴時間換算)を合計し、日毎にプロットしました。

ご覧の通り、視聴は順調な増加を見せています。数値的には、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が 厚生省指定感染症と告知されてからから、2ヶ月ほどで視聴時間が44%上昇しています(具体的には約8000万分/日)。

本来は、日本の2月は例年視聴が落ちるものです。その原因は明確になっていませんが、正月休みが終わり年度末に向かう中、学生・社会人ともに自由な時間が減ることが推定されます。にも拘らず、今年は2月以降も水準を維持しています。

また、2/28 以降, 3/24 以降と2段階的に上昇していることが特徴です。これはグローバルの統計では出ていない上昇点で、日本独自のものとなります。2/28 は日本政府からの学校一斉休校要請が施行された日であり、3/24 はオリンピック中止が発表された日です。これによって在宅時間が増えたこと・通勤通学の時間が減ったことで、ライブ配信を視聴する人口・時間が増えた可能性があります。ただし、日本の社会人にとってテレワーク導入率は低い水準にあり(Engadget 日本版)、どれほどの人口に可処分時間が増えたかは不明です。そのため、COVID-19 と視聴増加には因果関係は証明できないものの、相関関係は見られるとここでは考えます。

ライブ配信は個々のストリーマーにとって、殊に ノウハウ・マインド 無しには実現できない総合芸術です。在宅文化が奨励されている現在、現役のストリーマーは 手法・経験 が蓄積されるのみならず、ファン数も伸ばしています。今後日本政府の緊急事態宣言が解除されて後もストリーマーは継続して活動する可能性が高く、現在の活動が今後のトレンドの布石となりそうです。


補足1. : 今回の成長について、なにかゲームタイトルが一つ爆発的に伸びた可能性はあるでしょうか?

トレンドを説明する時、なにか一つのゲームタイトルに理由を追求することはよくあります。ただ今回、全ての可能性を考慮に入れるというのは中々難しいですが、多分そうではなさそうです。この時期には新作タイトルで『あつまれ どうぶつ森』(任天堂)などが発売されましたが、新作タイトルたちの視聴時間を合計しても上記「国内44%成長」に足る視聴時間の増加には及ばないからです。むしろ、日本国内の視聴時間が全体的に伸びたと言って良いでしょう。

また、グローバルで人気を博している VALORANT(Game*Spark)は日本ではクローズドβテストに参加出来ないため、今回の集計にはほぼ反映されていないと言って良いです。

補足2.:「現在の活動が今後の布石になる」とは何でしょう?

例えば、個人ではないですが、2月8日 - 3月8日に開催されていた LJL(League of Legends 日本プロリーグ, 公式ツイッター)春シーズンの視聴時間は非常に大きくなっています。昨年弊社が集計した Esports Tiers in Japan でも LJL の大きさは群を抜いていましたが、LJL は昨年の同時期に比べて視聴時間が 40% 増加しています。単純比較が難しいですが、2019年と2020年では2月の視聴時間が32%増加しているため、市場全体の増加率よりも LJL の成長率は大きいと言えるでしょう。

元来 LJL は劇場で観客を動員しチケット販売やファンミーティングを行っていたため、今回の COVID-19 に伴う情勢により無観客試合の処置を取ったことはリーグにとって痛手のはずです。それでも在宅ファンを味方につけ、市場の波以上の視聴増加へ繋げたことは、今後のリーグ運営にも追い風になるでしょう。

access

■「視聴時間」を用いて国内あらゆるライブ配信を評価しアーカイブした Giken Access をご提供出来ます。詳細につきましては、以下のボタンよりお問い合せください。

配信技研NEWS:“Ark:Survival Evolved” の視聴増加について

[“Ark:Survival Evolved” について主要ライブ配信プラットフォームでの国内合計視聴時間(日毎)の推移。]

“Ark:Survival Evolved” (以下 Ark)は2015年リリースのアクションサバイバルゲームです。名作のご多分に漏れず、発売当初は多くの人がプレイしていました。しかし発売から5年目に入った今年、日本で Ark をライブ配信しているストリーマーは1日平均:配信者数 3 [名], 合計配信時間 4 [時間], 合計視聴時間 5000-20,000 [分] ほどに留まっていました。

 しかし、2020年1月19日(日)、 VTuber(バーチャル YouTuber, バーチャルライバーとも, 以下 VTuber で統一)であり「ホロライブ」に所属する「coco ch. 桐生ココ」がそのライブ配信に Ark を選択し、事の発端となりました。

来る 1月26日(日)、同じく「ホロライブ」の一員である VTuber 「pekora ch. 兎田ぺこら」が上記「coco ch. 桐生ココ」と一緒に Ark をプレイしライブ配信。この日以降も両者 Ark をプレイし続けており、合計視聴時間が大きく成長しています。これより堰を切ったようにホロライブの VTuber たちがそのライブ配信に Ark を選択するようになりました。

この次の日である 1月27日(月)には、「にじさんじ」所属の VTuber 「ラトナ・プティ -ratna petit -」が Ark をプレイしてライブ配信し、同様にその後も Ark をライブ配信し続けています。

 2月22日(土)にはあらゆる VTuber が同時並行的に Ark ライブ配信を行い、たった一日の合計視聴時間で 41,782,960 [分] を生成しました。これは、国内の全映画館で人間が1日に滞在視聴している累計時間と同等の数値です。Ark の1タイトルのみでこのスケールを実現しています。

[同集計期間中の視聴時間内訳。チャンネル単位。]

 現状、例えば 3月2日(月)に Ark をライブ配信していたストリーマーは:配信者数 43 [名], 合計配信時間 100 [時間], 合計視聴時間 10,820,000 [分] ほどです。週末・平日に差はありますが、連日比較的高い数字で安定するようになりました。Ark はリリース後長い年月を経た後に VTuber の手によって映像コンテンツとして復活したゲームと言えるでしょう。これは珍しい現象です。


 Ark に関して国内直近の50日間合計では、ライブ配信視聴時間上位28チャンネルが全て上記「ホロライブ」「にじさんじ」のいずれかに所属する VTuber であり、国内の当ゲーム合計視聴時間のうち 96.5% が VTuber によって生成されていました。


 上記の現象から、VTuber の日本市場における強力さ、また「ゲームが流行る」ことに対するコミュニティの影響力の大きさを垣間見ることができます。そして「良いもの」に対する認知の広がりとして、広告やプレスリリースといった単方向メディアのみではなく、双方向メディアの重要性を感じられるでしょう。

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